実務ガイド
スキルマーケットと直接取引、
どちらを選ぶか
まず、手数料を並べてみる
主要なスキルマーケット・クラウドソーシングの手数料は、次の通りです。
| 出品者(受注側) | 購入者(発注側) | |
|---|---|---|
| ココナラ | 22%(税別) | 5.5%(税込) |
| クラウドワークス | 5〜20% (契約金額に応じて変動) |
なし |
| 直接取引 | なし | なし |
※ 各社の公表情報をもとに作成(2026年時点)。プランや契約形態により異なる場合があります。最新の条件は各社サイトでご確認ください。
数字だけを見れば、直接取引が圧倒的に有利です。月100万円の取引を1年続けた場合、手数料の差は次のようになります。
年間1,200万円の取引における手数料(出品者負担・概算)
| ココナラ(22%) | 約264万円 |
| クラウドワークス(20%の場合) | 約240万円 |
| 直接取引 | 0円 |
| 年間の差 | 最大264万円 |
この金額を見れば、直接取引に移りたくなるのは当然です。ただし、ここで比較を終えると判断を誤ります。
手数料の中に、何が含まれていたのか
プラットフォームの手数料は、単なる仲介料ではありません。実際には次の機能に対する対価です。
プラットフォームが担っていたもの
- 集客:新しい顧客と出会う場の提供
- 信用の担保:評価やレビューによる、実績のない相手への保証
- 代金の保全:成果物の確認まで報酬が確定しない仕組み
- 書類の発行:請求書や取引明細の自動生成
- 紛争の仲裁:トラブル時の窓口
直接取引に移るということは、これらを自分で用意するということです。とくに重いのが、集客と代金の保全の2つです。
判断軸1:新規開拓が必要かどうか
ここが最初の分岐点です。
新しい顧客を継続的に増やしたい段階なら、プラットフォームの価値は手数料に見合います。実績のない状態で最初の一件を取ることは、自力ではきわめて難しい。集客機能は、他で代替が効きません。
一方、すでに安定した取引相手がいて、その相手との仕事が売上の中心になっているなら、話は変わります。同じ相手との10回目の取引に、新規開拓のための手数料を払い続けている状態だからです。
判断軸2:代金の回収をどうするか
見落とされやすいのがここです。プラットフォームでは、購入者が先に支払い、成果物の確認後に報酬が確定する仕組みが用意されています。未払いという概念がほぼ存在しません。
直接取引では、この保護がなくなります。報酬の未払いや支払い遅延を経験した人は、調査によっておよそ3割から7割とされています。さらに、トラブルを交渉せずに受け入れた人の約4割が、その理由に「今後の取引に支障が出るため」を挙げています。
出典:内閣官房日本経済再生総合事務局「フリーランス実態調査結果」(2020年)/日本労働組合総連合会「フリーランスとして働く人の意識・実態調査2024」/株式会社マイナビ「フリーランスの意識・就業実態調査2024年版」
手数料がゼロになる代わりに、回収できないリスクを自分で負うことになります。年間264万円を節約しても、1件80万円の未払いが2件起きれば、差は大きく縮みます。
判断軸3:事務の手間をどう見積もるか
見積書、請書、適格請求書、入金確認、帳簿への記録。プラットフォームが自動でやっていたことを、自分でやることになります。
インボイス制度で請求書の記載要件は増え、電子帳簿保存法により電子で受け取った書類は電子のまま保存する義務が生じています。1件あたり30分の事務が増えるとして、月10件なら5時間。時間単価5,000円なら、月2.5万円、年30万円の実質コストです。
まとめ:3つの選択肢がある
二者択一で考えると判断を誤ります。実際には3つの道があります。
| 選択肢 | 向いている状況 | 課題 |
|---|---|---|
| プラットフォームを使い続ける | 新規開拓が売上の中心。実績を積んでいる段階 | リピート案件にも手数料がかかり続ける |
| 完全に直接取引へ移る | 取引相手が固定され、事務処理の体制がある | 未払いリスクと事務負担を自分で負う |
| 併用する | 新規はプラットフォーム、既存の継続取引は別経路 | 継続取引側の仕組みを用意する必要がある |
現実的なのは3つ目の併用です。新規開拓の場としてプラットフォームの価値は残したまま、すでに関係ができている相手との取引だけを別の方法で管理する。手数料も事務負担も、バランスを取れます。
継続取引のための、3つ目の選択肢
ナカツギは、すでに関係のある事業者間の取引を管理するプラットフォームです。集客機能はありません。見積・請書・適格請求書の発行から、着手前の支払いと検収による受け渡しまでを一つの画面で完結できます。利用料は取引額の8.6%(税抜)、買い手の負担はありません。
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